健康成人
健康な成人が治験に参加する意義
治験と聞くと、疾患を持っている方向けのものと思われがちですが、健康な成人を対象としたものも多数行われています。むしろ、BMI値が正常値・服薬中の薬がない・喫煙や飲酒をしていない・大きな病歴やアレルギーを持たないなど、健康な方向けの治験募集は非常に多いのです。
健康な方向けの治験で実施されているのは、主に薬の安全性と薬物動態(体内への吸収・分布・代謝・排泄)の検証。薬剤の治療効果(有効性)を検証するものではないため、投薬量も通常より大幅に少なくなっているのです。
人によっては副作用や体調不良を起こす場合もありますが、治験担当医師による迅速な処置を受けられるなど、被験者の安全性はしっかりと守られています。また、個人の意思でいつでも治験をやめることができるのも特徴です。
新薬の開発に治験は必要不可欠。治験に参加するということは、次世代に新薬を残す「創薬ボランティア」という社会貢献につながります。
健康な人向けの治験・募集要項例
市販済のお薬と同成分の飲み薬の試験
- 募集対象:男性
- 対象年齢:20~35歳
参加条件
- BMI値が18.5~24.9
- 現在、治療中の病気やケガがない方
- 悪性腫瘍、心臓・腎臓・消化器・呼吸器・血液などの重い病歴がない方
- うつ病などの精神疾患の病歴がない方
- てんかんの病歴がない方
- アトピー性皮膚炎など皮膚疾患の現病を持たない方
- 臨床試験参加経験者は休薬期間4ヵ月
- グレープフルーツ含有食品やセイヨウオトギリソウ含有食品を摂取していない方
試験概要
市販済みの薬と、同成分の飲み薬を用いた試験。薬が体内に吸収され、体外へ排出されるまでの健康状態の確認を行います。6泊入院を2回実施。
市販済のお薬と同成分の飲み薬の試験を受けた方の体験談
「健康な人でも参加できる治験を探していてこちらの情報を見つけました。しかも嬉しいことに試すのは市販済みの薬と同じ成分だということ。治験というと何となく怖いイメージがあり、新薬はリスクが高いし…と思っていたのですが、すでに実績があるなら安心です。入院は1週間×2回。入院生活の中で採血などはありましたがとても快適に過ごせました。協力費も高かったので満足しています。」
「これまで通院タイプの治験には参加したことがあったのですが入院タイプは初めて。ですが、今回の治験で取り扱うのは市販済みの薬と同成分らしいので安心して参加できました。
実際に副作用などは何もなく、入院生活中も不便や不具合を感じることもありません。同じ治験で参加している方と仲良くなりあっという間に入院期間が過ぎました。採血や問診などは多かったもののトラブルなく完了できて良かったです。」
貧血の自覚がある方対象入院試験
- 募集対象:男女とも
- 対象年齢:20~64歳
参加条件
- BMI値が30以下の方
- 現在、貧血以外の治療中の病気・ケガがない方
- 体重が50kg以上の方
- 採血データ(Hb値)が男性9~12.9、女性9~11.9
- 数値不明だが出血性疾患(消化器系・痔等)の病歴がある、月経過多や生理が重い等の婦人科症状がある
- 悪性腫瘍にかかったことがない方
- 喘息・鼻炎・アトピー性皮膚炎等の通年性アレルギーがない方
- 臨床試験参加経験者は休薬期間4ヵ月
- 刺青・タトゥーがない方
試験概要
鉄欠乏性貧血の診断がある、または貧血の自覚がある方を対象とした試験。薬を静脈から注射し、2泊3日の入院と3回の通院で経過を観察します。
貧血の自覚がある方対象入院試験を受けた方の体験談
「初めて治験に参加することになりました。血液検査を受けて見事対象者に選ばれ、参加することに。注射が苦手なので少し不安に思っていましたが、特に痛みもなくさすがプロだと思いました。
長年貧血に悩んでいたので新薬をいち早く試せるのは大きなメリットですね。
入院だけでは終わらず、何度か通う必要がありましたが入院環境がとても快適で問題なく完了したので良かったです。」
「2泊3日で行われる貧血の治験に参加しました。一日に何度か採血や尿検査がありましたが、特に生活に不便さを感じることはありません。漫画などを読みながら暇を感じることなく過ごせました。
かなりひどい貧血に悩んでいたのですが、入院と通院が終わった後は状態が良くなったので参加してみて良かったです。これまで病院で本格的な貧血の治療を受けたことはありませんが無料で治療が受けられるのはやはり嬉しいですね。」
「生理のたびにひどい貧血に悩んでいて、たまにめまいで座り込んでしまうことも…。何とか状態を改善したいと思い貧血に悩んでいる人向けの治験に参加しました。
注射は特に苦手ではなかったので薬の投与も問題ありません。入院期間中は退屈せずに過ごせるように漫画なども用意してあったのであっという間に過ぎました。入院期間中・入院後はあまり大きな変化を感じなかったものの、通院する中で状態が改善されていったのでよかったです。」
夜間頻尿でお悩みの方へ
- 募集対象:男女とも
- 対象年齢:20歳以上
参加条件
- 臨床試験参加経験者は休薬期間3ヵ月
- 他の臨床試験・モニターに予約していない方
- 就寝後、排尿のために何度も目が覚めて困っている方(6ヵ月以上継続)
- 悪性腫瘍(がん)を治療中、または完治後5年以内でない方
- コントロール不良の糖尿病(HbA1c値7.0を超える)でない方
- コントロール不良の高血圧(収縮期(上)160以上または、拡張期(下)100以上)でない方
- 夜間勤務などで睡眠時間が不規則ではない方
試験概要
夜間頻尿の悩みを持つ方を対象とした通院試験。治験薬に期待される、夜間頻尿の症状を抑える効果を確認します。約3ヵ月間で8回通院。
夜間頻尿の方向けの治験を受けた方の体験談
「以前からずっと頻尿を感じていたのですが、なかなか病院に行く勇気が持てず…。そこで考えたのが治験です。正直なところ、治験で処方された薬を服用しても変化はすぐに実感できませんでした。
本当に効果があるのかな?と思っていたのですが、徐々に尿漏れをすることもなくなり、通院治験が終わった後も明らかに頻尿の症状が良くなったと感じています。
これまでは毎日トイレのことばかり考えていましたがそれもなくなりました。」
「以前から何度も頻尿の治験に応募していたものの人気が高いのかなかなか参加できず。キャンセル待ちでやっと参加できました。通院中は薬を服用しましたが特に不安に感じたり副作用として何か現れることはなかったので良かったです。
丁寧な血液検査もしていただき満足しています。治験後はほんの少しだけ夜間頻尿が良くなったような…?通院回数は多かったものの交通費なども出たので問題ありませんでした。」
中性脂肪が気になる方対象の試験
- 募集対象:男女とも(日本国籍・ハーフやクォーターでない方)
- 対象年齢:20~74歳
参加条件
- 刺青・タトゥーがない方
- 生活保護を受けていない方
- 有効期限内の保険証を持参できる方
- 妊娠中・授乳中ではない、期間中に妊娠の予定がない方。
- 臨床試験参加経験者は休薬期間4ヵ月
- アルコール乱用歴、違法薬物使用歴がない方
- B型肝炎・C型肝炎HIV・梅毒・悪性腫瘍の罹患歴がない方
試験概要
中性脂肪値が高いことで悩んでいる方を対象とした通院試験。約6ヵ月の間に12回程度の通院を行い、治験薬(飲み薬)の効果を検証します。
中性脂肪が気になる方対象の試験を受けた方の体験談
「健康診断で中性脂肪がかなり高いと指摘を受け、これはまずいと思い治験に参加してみました。血液検査や検尿、問診のほか、食後に薬を飲みます。治験は初めての参加だったのでかなり不安に思っていましたが、スタッフの方からいろいろアドバイスをもらったり、質問もできたので安心して参加できました。
採血の回数が多かったのが少しデメリットだと感じましたが、特に注射が苦手でない方は参加しやすいのではないでしょうか。」
「初めての参加だったので事前に電話でいろいろ質問をし、納得した上で参加しました。治験で通う病院について全く知らなかったのですが、とてもキレイでスタッフの方や病院の方も優しくて安心して治験が受けられたのでよかったです。
1ヶ月に2回ほど通わなければならなかったのでこの点は少しデメリットに思います。でも体重が減ったので大満足!また似たような治験があったら参加したいです。」
尿酸値に関する短期通院モニター
- 募集対象:男性
- 対象年齢:20~59歳
参加条件
- 1年以内の尿酸値が、7.1mg/dl-8.9mg/dl
- アルコールを毎日摂る習慣がない方
- 食生活が不規則でない方
- 夜勤や交代制勤務など生活リズムが不規則でない方
- 臨床試験参加経験者は休薬期間1ヶ月
試験概要
尿酸値の改善効果が見込まれる、健康食品の試験モニターです。
尿酸値に関する短期通院モニターを受けた方の体験談
「何となく治験は怖いものというイメージがありましたが、健康食品の試験モニターとのことだったので応募することに。健康診断の結果で尿酸値が良くなかったので参加してみたのですが、通院する中で健康食品を試すほか、採血や血圧の測定、脈拍測定など様々なことを行い治験でより詳しい検査を受けることができました。最終的に尿酸値も安全なところまで下がったのでよかったです。」
「仕事が忙しくなかなか入院を伴う治験には参加できずにいたのですが、短期通院モニターがあるとのことで応募してみました。薬を使うタイプのものはどうしても不安がありますが、健康食品のモニターということもあり気軽に応募できたのも良かったです。 実際にモニターになってみて思ったのは、自分で気づかないうちに尿酸値を高めるものを食べていたんだぁということ。食事のアドバイスも受けられて改善点が見つかりました。」